笹丘にイオンスタイル福岡1号店
福岡市中央区のイオン笹丘店が9月10日「イオンスタイル笹丘」としてグランドオープンすることが発表されました。(資料)
「イオンスタイル」とは、イオンが従来のスーパーのイメージを打ち破るべく改装した店舗のブランドで、本州ではすでに多数オープンしています。九州では熊本店が被災からの再開を機に「イオンスタイル」としてリニューアルされました。
笹丘店も周辺に多く居住する30~40代のファミリー層を意識しています。地下の食品ゾーンは鮮魚売場をサークル状にし、また惣菜売場は店内調理にこだわるなど、客との対話を重視した空間になっています。またナチュラル志向の高まりを踏まえてオーガニック化粧品を充実させるほか、長丘に本店を置くオーガニック食品店「natural natural」を新規オープンさせます。またファッションのゾーンでもメンズ向けやキャリアウーマン向けの上質な商品を提案します。
近年、総合スーパーの食品以外の部門は苦戦気味だと言われています。天神・博多駅などの中心部への商業集積が加速している福岡では特に顕著かもしれません。今回の改装も都市型店舗への対抗心が見て取れます。一方で新規にオープンする専門店は郊外型店舗や地元チェーンが中心で、既存のスーパーのテナントの域を脱していないようにも思えます。果たしてどこまで周辺住民に訴求することができるのでしょうか。
また、福岡市内の他のイオンの動向も注目です。2015年にダイエー店舗を譲受して市内のイオンは9店舗となりましたが、そのうち元ダイエーの西新店が2016年5月末に閉店しました。笹丘店もダイエーから譲渡された店舗です。引き続き店舗網の整理や改装が行われることが予想される中、2005年に閉店したダイエー店舗跡に出店した原店の土地建物の所有者が変わることも発表されました(資料)。西新店の再開発も含め、中心部「以外」の大型小売店も目が離せない状況が続きそうです。